小説を書くのはさすがに向いていない

なぜかというと、伝えたい話というのがまず存在しない。書いている途中で嫌になる。どうでもよくなる。何もモチベーションがない。「なぜこうならないのか」という怒りみたいなものもない。自分自身が小説に対してどうなっていくのかまるでワクワクしない。興味の湧く題材が全くない。すぐに面倒くさいと思ってしまう。

もちろん楽しめる作家の作品というのはあるが、それは楽しめるように工夫してくれているから楽しめるのであって、自分でそれを作るのを楽しみたいという強い欲求みたいなものが無い。

ところがゲームを作るということに関してはその欲求がすぐに湧く。なぜだろうか。

それは多分人間模様とかどうでもいい感じで排してあるからだ。もちろんそういう人間模様を全面に押し出して押し付けてくる作品もあったりするが、残念ながら全くそういうのには興味が無いので、それをゲームと考えられないというのがある。

ではゲームそのものを小説にしてみたらどうかというのがあるが、システムにキャラが揉まれて脱出するみたいなのは良いかも知れない。しかし、自分で考えたシステムにキャラを当てはめても、広がりというか可能性というか、想定すべきことが少なすぎて、つまらない。次々とありがちなことを書き出すしかなくなる。ゲーム感覚と小説でしか表現できない両方を合わせるラノベみたいなものがあったりするかも知れないがあまりお目にかからない。

ゲームは最もコストの高い創作物である。特に一人で作る場合は、ユーティリティな能力が「極めて」高くないとろくなものが作れない。グラフィックがよければ手にとってもらいやすくなるとは思うが、システムがクソだとゲームにする意味がない。高級でなかなか先に進まない紙芝居みたいな状態になる。(そういう作品も多いだろう)大勢で作る場合はそれでも良いかも知れないが、一人だとかなりシステムだけに特化した内容になりがちだ。本当に面白いものが作りたければ。

ゲームの美味しいところを小説で表現したければ、キャラを悪夢的に追い詰める必要がある。無限地獄に追い詰めるのだ。システム自体がしっかりしている必要と、人間模様はある程度で良いとして、描写や演出はしっかりしてないと話にならない。

なんだかせっかく考えたシステムを味わい尽くす前に、さらっと話のネタ程度に使ってポイな感じで嫌だ。

例えば無人島に置き去りにされた複数人の記憶の無い人間が、脱出するために色々やってみるみたいな話もゲーム的な感覚でありかとは思うがまずは食料を取るとか、船を作るとか、ガチのサバイバル部分をフィーチャーすると今度はそれだけで資料が大量に必要になるので、そこを都合が良いように上空から装備だの食料だのが送り込まれるという仕様にすると、こんどは独占欲を満たそうとするサバイバルが始まるので、そういう人間模様は避けたい。

最初から食料を持っていて、脱出には何かをその無人島で探し出す必要があり、それを奪い合っても意味が無く、自分の知能で解き明かす必要があるものにする、とかなると、島の古代文明が残した時空制御装置を見つけ出すとかなって、それを使えば遠い地に行けるようになって、戻れるということにする。どっかで見た連続ドラマみたいになってしまうが、あれはそれぞれのトラウマだのなんだのを掘り下げて、結局島がサイコーみたいな酷い内容だったが、こっちはそれをさっさと終わらせる必要がある。でも、キャラや設定が楽しめる、ワクワクできるものであったほうが良い。

古代文明は「護る者」を用意していて、そいつらを倒さないと文明の利器には到達できない。最初の護る者を倒したら、それなりの武器だのなんだのが手に入る。順番を守りながら戦えば強い敵と戦えるようになっていく。護る者から手に入れた利器を狙って襲いかかってくる。順番の謎は小さい原住民が歌で押しえてくれる。その謎解きと、同時に戦うべき護る者とは別の敵との戦いが待ち受ける。

最後の護る者は口を大きく開き、最後の部屋への通路となる。護る者はすぐわかるものではなく、自然物が形を変えている。封印を解く言葉を使う。間違えると護る者からの利器を奪おうとしてくるどす黒く気持ち悪い人型の者に近づくーーという感じで色々考えられるが、いざ書こうと思うと、この設定を隠しながら少しずつ演出と描写を交えて書くのが面倒でしょうがない。すぐに御都合主義になるだろう。御都合主義とはその時々に適当なことを言って回って、これという確たるものの無い状態であるようだが、それはそれでも良い気がする。続けられるならそういうのでも良いではないかと思うのだ。しかしそれは人に発表するものでは無い。人に発表を考えずに適当に書く小説になんの楽しみも感じない。

このブログも反応を期待して書いているものでは無いが、自己満足できる。しかし小説は反応に対して全く期待しないとしても自分で楽しめる気がしないので書く気にならない。文字に起こすのがそれだけで労力と考えてしまうのだ。そんなことも考えずにこのブログみたいに適当に書き出せば良いということも考えたが文字通り話にならないし、キャラ自体を掘り下げたいという欲がまるでないのだ。

キャラを作りたいというヤツの気が知れないが、「キャラはこうすれば良いんだろ」で作ってやれば良いのか、なるほどこれなら怒りの力が使えそうだ。動機が「モテたい」とかの何百倍も不純過ぎてまあ続けられないと思うが。ワンピースみたいになりそうだ。悪寒がする。キャラは勝手に出来上がる実験でもしてみるか。まあやってみないことには何が勘所かわからないのでやるしかないとは思うが、簡単に書き出せる何かシステムを考えたい。そっちのほうが燃える。怒りに任せて書くのもできるが、それだと経験上中々続けられない。これまでにやったことのないモードで書き進める必要がある。勝算も何も存在しないがとにかく書き進めてみるか。

良く考えたらあまり面白い小説というのも無い気がする。言葉のいちいちが素晴らしいという作品はあるにはあるが、とてつもない小説であって、その筆力の高さは、ほとんどの作家が認めるレベルの作家だったりする。まあ平山夢明であるが、そこを目指すと全く完成するものもしないし、絶対到達できないから、大して面白くない小説と同程度ならば力を抜いて書ける。とりあえずそれで良い。小説の大家みたいになっているのに大して面白くない、平凡な表現、ただ太郎が右に行きました程度の内容がずっと続くつまらない酷い作品も多い。そりゃ確かに細かい技術が上手いのかも知れないし、セオリーみたいなものを上手に使えるのだろが、つまらないので無意味だ。その程度で良いなら何か書き出せそうな気もする。まあ、楽しみになる部分を見つけてそれを何とか形にしたいと思う。

1/19/2016 08:43:00 AM