技術はゴミを作ることで手に入れる

最初からハードルの高いことをやったら上手くいかないのはどんなことでも当然で、勉強だってそうだろう。結果的に凄まじい能力を持っている人も最初はなんの役にも立たないカスみたいなものをしっかり積み上げたからその場所にやってこれたのだ。なんの積み上げも無く、急に手に余るブラックボックスを渡されても、ミスしか無いだろう。

ある程度ちゃんとできるのが当たり前になったらそれが普通、出来て当然、最低ライン、スタンダードなので、それ以下の奴は切り捨てたほうが「一瞬」は無駄が少ないかもしれない。しかし、後続が無い以上、その一瞬はもう二度と作り出せなくなる。

巨人の肩に誰でも乗れるかもしれないが、乗り方を知るのはそのスタンダードになれた人間だけだ。後続は一見無駄なゴミの積み上げをスタンダードの人間と同等に積み上げて、その場所に到達しなくてはならない。

上司がその判断を誤り、無駄をなくすという名目で、新人が技術を習得するに必要なゴミ作業を捨てるようなことを無作為にやっていると二度とその業界はスタンダードレベルに到達する人間が現れなくなってしまうこともあり得る。日本の技術系の会社はその無駄削減のためにもう二度と後続が育たない衰退化を果たしているが、それが「最近の若者は技術に興味が無い、若者の技術離れ」だからでは決して無く、ゴミ作業の削減による実践経験の喪失から起きていると言われている。

趣味でもいきなりすごいこととか、ダイエットでもいきなりとか、とにかく「いきなり」ということをやると、数百人のうち才能あふれる一人だけがうまくいくとかいうファンタジックなことが起こるだけで、普通どころか相当に優秀な人間もほとんど生き残れない。それよりは一見無駄なことを繰り返しやっていく中で、それぞれ可能なことを見つけて、道を定めて、そこからの成長過程を設計して、それに従って目的地を目指すようなやり方をした方が断然うまくいくだろう。

音楽を作りたいと思うなら、いきなりヒットソングを作ったりせずに、まずはゴミを作ろうと思って作った方がいいし、普通に出来る人にとっては無駄なこと、たとえば、鍵盤を押してみるとか、運指をしっかり勉強するとか、ギターのパワーコードだけは押さえられるようになってみるとかいうことをまずはやってみて、出来たら次のステップを設定して続けるというほうが良い。いきなり曲を作ってはダメだ。

3/21/2016 09:23:00 AM