機能と見た目のどちらを取るか

デザイナーは見た目の華やかさを演出するだけのデコレーションを作る仕事ではなく、見た目含めた機能をつくりだす仕事である。

しかし、最初に機能から考えると良いもの、新しいものが作りづらくなる。最初にデザイナーがピンとくる見た目を作り、次にその中に機能を突っ込んでいく方が、新しく良いものになりやすいだろう。昔のソニーのデザインの作り方だ。Appleもその手法を踏襲した。

簡単に言うと、まずは見た目を決めて、その中にどうやって機能を納めるかというのをやっていくのだ。機能だけしっかりあってもダサいし、見た目だけ良くて機能が足りなければ役立たずだ。

その時、とりあえず黄金比を使ってみるというのも手ではある。人が違和感なくその形状を受け入れる一番手っ取り早い方法は黄金比であるようだ。生物の体の比率と似ているから、宇宙の法則から外れていない、安定した形状、みたいな認識になる。ずっとその形状を維持していても飽きがこない、スタンダードになりやすい形状だ。

機能で問題が起き始めると今度は形状を変えるという手段に出るようになるが、それなら機能のある面を省くほうがマシだったりする。また、機能それ自体を見直す必要がある。間違っても、黄金比を捨てて16:9の画面にしたりしないことだ。マヌケな絵面になって愛着や魔法がなくなる。機能に引きづられて見た目を変える愚行をおかした良い例だ。

例えば日本語なら変換した候補が表示されるようになると、表示される文章の行数が減り、文章を書きづらいだろうが、それならエディタの上部にタイトルを無くすとか、変換候補を昔のように文中に吹き出しのように出すとか、やりようはいくらでもあった。画面を大きくして見やすく……とかいうのも同じような愚行である。

ただ、機能だけで見た目を考えず、ひたすら突き詰めてもかっこ良くなる場合がある。軍用の兵器や装備などは見た目のかっこよさなんて考えず、機能だけに特化したものではあるが、それはそれで無骨ながらもかっこ良いものだ。ただし、戦場で機能が省けないからそうなるのであって、普通は防水防塵なんて通信機器に必要はそれほど無い、あっても防水程度だ。それよりも持ち運びやすさとか、軽さとか、そっちのほうが大切だ。

たとえばスマホだが、PCでできること全てが外でポケットサイズでできる、何てことは売りにしなくても良い。一番重要な作業である、二割を外でも可能にするくらいで良いのだ。メール、ネットブラウズ、連絡、メモ、写真、動画、リマインダー、地図、時計、天気、録音……あとは娯楽で少し使えるくらいで十分である。何でも一個でやれるようにしようとするからおかしくなるのだ、適材適所というのがあるだろう。

4/11/2016 01:26:00 AM