シェイクスピアもといポンティのシチュエーション三十六分類

〇一、哀願・嘆願。依頼の強烈版。感情移入がものをいう。

〇二、救助・救済。捕まった人を助けに行く。ピンチに助けに来るが、必ず助けられるとしたらつまらないので、どっちに転ぶかわからないようにしておく。

〇三、復讐。話が暗くなるので、主人公の目的にはしない。ほかのキャラが目的としているのを止めたり手助けしたりするのがよさそう。

〇四、近親者同士の復讐。英雄神話にありがちな父が子供を捨て、子供はそれと知らず父を殺害して王となるみたいな。これも主人公は避けて、サブキャラでやるのがよさそう。

〇五、追走と追跡。犯人に限らず、物語を動かす事件を解決する力のあるキャラがいなくなるので、それを探すというのもあり。

〇六、苦難・災難。基本は巻き込まれるが、修行ものは自ら飛び込むこともある。

〇七、残酷な不幸の渦に巻き込まれる。救いがない展開に巻き込まれていくが、やりすぎ注意。

〇八、反抗・謀反。自分か仲間か敵の裏切り、反逆。秩序に対して逆らう、安定を崩すこと。話になりやすい。

〇九、戦い。勝って当たりまえだとつまらない。

一〇、誘拐。タイムリミットが設定されていれば燃えやすくなる。いつ死ぬか変わらないというシチュエーション、死んだと見せかけるなど、一度、大事なものを隠す、または取り返しがつかなくなってしまう、みたいな危機感をあおると良い。

一一、不審な人物、あるいは謎。はっきりしない対象。多くの場合これこそがページを次にめくらせる動機となりえる。ここがしっかりしていれば売り物として価値がある。

一二、目標への努力。小さい目標、目の前の目標、大きな目標に繋がっていると望ましいが、最初はそれすら不明でも構わない。興味がわくような、本当にできるのかどうか気になる目標であること。

一三、近親者間の憎悪。財産の奪い合い、能力が高く見られたい、自分を有利にしたい、多くもらいたいという欲を何とか叶えるために憎しみいがみ合う感情を描く。または過去の過ちをいまだに責めつづけるみたいな。

一四、近親者間の争い。これも巻き込まれるというのが良いかもしれない。兄達の権力争いに巻き込まれ、本心とは違う行動をせざるを得なくなってしまった、策略にはめられたみたいな。

一五、姦通から生じた残劇。妹、妻、娘、の性的な何かしらを奪われたり殺害された場合の行動を描く。

一六、精神錯乱。メンヘラキャラなら狂っても想定内、何の意外性もないが、安定していたはずのキャラが突然狂うと衝撃を与えられる。

一七、運命的な手抜かり・浅い配慮。ミスして取り返しのつかないことが起きてしまった。

一八、つい犯してしまった愛欲の罪。身分の差をわきまえない愛欲による過ち。

一九、知らずに犯す近親者の殺傷。〇四の近親者同士の復讐に同じで、最後自分の父親としらずに悪代官を殺害してしまうのとかがこれ。

二〇、理想のための自己犠牲。自分が救いたいもの、変えたいもののために、自らの命をささげる行為。

二一、近親者のための自己犠牲。自分の血縁者のために命をささげる。

二二、情熱のための犠牲。音楽、勉強、野球、空手などに生きて死ぬみたいな、趣味的な方向へ命をささげる。

二三、愛するものを犠牲にしてしまう。人に対してだけでなく、地位や物品、金銭などにも適用可。

二四、三角関係。どちらもうまくいくことはないが、どうにか決着をつける。

二五、姦通。行為の後、当たり前に幸せにならないほうが強烈な印象を与えられる。蝕が起きて台無しにされるみたいなやつ。

二六、不倫な恋愛関係。結果どうなるかが気になるもの。

二七、愛するものの不名誉の発見。相手の失敗や許されない行為を見てどうするか。

二八、愛人との間に横たわる障害。内部、外部の障害をどう乗り切っていくかを描く。

二九、敵を愛する場合。立場と愛情との三角関係、相手がこちらを愛してくれるわけではないので、すれ違いの強烈さが演出できるかもしれない。

三〇、大望・野心。どうして実現が難しいかをしっかり描かないと、説得力がなくなる。どうやってもその願いが叶わないと思いつつもそれをどう解決したか、発想の力を見せないと納得できない。

三一、神に背く戦い。常識となっているものへ立ち向かう。異を唱える。

三二、誤った嫉妬。思い込みによる人間関係の破たん。

三三、誤った判断。前半でやると挽回するための話となり、終盤でやらかすとバッドエンドになる。

三四、悔恨。昔の失敗を抱えて生きているが、同じようなシチュエーションがまたあって、償うことをモチベーションとして動きだす、みたいに使えそう。

三五、失われたものの探索と発見。なぜこれがここにあるのか、誰も知らない、みたいなシチュエーションを探って解決していく。

三六、愛するものの喪失。奪われる、自ら、死ぬだけではなく、目の前からいなくなるということ。もしかしたら生き返るかも、もう一度付き合えるかも、みたいな淡い期待があってもいい。そっくりな人が出てくるとかも良い。

これシェイクスピアが「物語のシチュエーションはこれで全部」とか言ってたのかと思ってたが、どうやらフランスのポンティとかいうおっさんがまとめたそうだ。よく知らんが。

しかし、なんとなくこれらが有効な場所というのがわかってきた気がする。物語のベースとなるのは象徴的な昔話などから始まり、それを原型がなくなるまで煮込んで、材料を選ぶ際の一応の味付け的な考えで、あてはめてみるというのがよさそうである。別にシチュエーションなので、これらが時系列によってそれぞれ絡み合っているのが普通だろうが、ぼんやり眺めて、物語を駆動させる何かをインスパイアさせるために使えるなら、使ってみたいものだ。

4/26/2016 11:47:00 PM