誤読、ミスリードの手法

もっともらしい嘘。そうに違いない、と思わせておいて、実はこっちでしたとやるのが誤読の基本だ。どうすればそれが可能になるのか。

引っかかりやすい間違いを用意しておく、ある話題の次に違う話題を持ってきてごっちゃにする、絶対わからないことをもう少しでわかるんじゃないかと思わせる、簡単にわかる答えを複雑な問題で難解に思わせる、絶対に起こらないだろうと思わせておいて起こしてしまう。基本は悪戯と一緒だ。

しかし、前提を信じてもらえないとこのミスリードに持ち込めない、それが難しいのだ、という話である。だとしたら、最初に考えるべきは、どうやったら説得力が出てくるのか、ということだろう。簡単に説得力を出す方法があるみたいで、キャラが作品内でソレを否定してしまうと良いようだ。ありえない、バカバカしい、嘘くさい、そう言われるほど読者は無意識で反対の事象もあり得るんじゃないかと疑いを持つようになるらしい。勝手に信じ込んだキャラだらけだと読者が置いてきぼりになってしまうのだ。ない、と言われるといやあるかもよ、と思う気持ちもあるし、安全圏から冷静に見守っている人間からしたら「そんなに甘くないだろ」という余裕から逆説が生まれるというのもある。読者がついてこれるように代弁する代わりがある。

こうして、説得力を高めるのは良いが、中世ヨーロッパや、江戸や、近未来や、八十年代は、どれも常識が違うので、人々の疑いも違う。だからなんでそんなことに疑いを持つのか意味がわからない、ということがあり得るのだ。だから、その世界で普通にある事、もしかしたらあり得るかもという事、絶対にありえない事をしっかり決めておく必要がある。ドラゴンが普通にいる、ドラゴンは伝説でいるとされていて痕跡もあるがまあいないだろう、ドラゴンなんていたら破綻する、それぞれそういう世界がある。または、「普通にやる事、まずやらない事、絶対にやってはダメな事」とか、「可能であれば誰でもやる、可能でも誰もやらない、やる事すら思いつかないこと」とか、「絶対に起こらない事、普段は起こらない珍しい事、よく起きる事」……などを列挙して、それを作品内で匂わせる必要がある。

そうすれば現代じゃないところでもリアリティを出すことができ、説得力が増し、ミスリードの効果が高まると思われる。

4/30/2016 10:42:00 AM