美しさを保つために広がりを拒む

デザインの初心者がおかしがちな決定的な勘違いとして、平均的な人間に合わせようとすることである。平均さえクリアすれば全員が使えるようになるというのは幻想だ。

それよりもある特定の使用者に絞ってそこに最適なデザインを目指すべきである。やたらデバイスを大きくしたり、ちょっと大きくしたり、種類を増やしたり、色々な人が使えるように……とやればやるほど不細工になっていき、そのうち淘汰されるだろう。

まさにAppleがその道に進み始めたので目も当てられないのだが、凡人はどうしても「みんな使える」という基準を誤るのだ。

ある特定の人だけが使えるものを作っておけば、それに合わせて人はそれぞれ工夫する。その工夫部分を前もって全員に受け入れられる形状にしていこうとすると、種類を増やす以外なくなる。シンプルであることが最高の価値であるというのを忘れると増やせばええやん的な発想に陥り、製品の種類は増え、複雑化し、分散し、不細工になり、魅力がなくなり、消えていく。シンプルであることはそれだけで大変な価値を生み、美しさが保たれるのだ。

4/13/2016 12:29:00 PM