素晴らしいデザインも環境への適応も繰り返しが生み出す

最初に高い目標を掲げるだけでは素晴らしいデザインは生み出されない。ちなみに風呂敷を広げるのと高い目標は違うので念のため。高い目標は目指すべきものではあるが、目指し方には作法がある。いきなり達成できたら誰も苦労しない。いきなりできる人を連れてくる、だとしたらすでにあるものなのでそれは高い目標とは言えない。単に自分にとって高い目標であるというだけだ。前人未到を目指そう。どうせなら。

ではどうやって目指すか。それには繰り返しが最も有効であろう。自然界に適応する生物のように、環境が厳しくても、自分の持つ何かを変化させながら環境に適応していく。一代目にしてその変化はやってこないが、生物によっては進化が速いので、適応速度でいえば繰り返しのサイクルを速くするというのは有効であろう。生物は数で勝負するから、デザインもパターンを出してレースをさせると良い。

やがて環境に適応する個体が生まれるが、それは失敗があるから適応方法が浮き彫られたのだ。失敗こそが糧である。いきなり成功できるならそんなものは目指してはいけない。うまくいくことがあり、目指した場所に到達できれば良いのではあるが、目指す場所がショボイと、大した発見も成長もなく終わってしまう。

目標を明確にしないまま、デザイナーになんとなくのイメージを伝えて「俺を驚かせろ」というのをやりたがるクライアントも多いだろう。その場合はデザイナーの人が良ければただ疲弊し、そうじゃなければ去っていくだけだ。どっちにしてもろくなものはできない。

唯一、目指す到達点の精度の高さにかかっている。誰でも思いつく目標を掲げていても繰り返しの好循環は起きないし、無駄な負荷が一部にかかって疲労骨折し、酷い製品しかできなくなるだろう。

4/12/2016 09:12:00 AM