昔話で物語のトレーニング金太郎

つまらないと噂の金太郎を脚色してそれなりにする訓練をしてみる。

昔々、金太郎という男の子がいた。金太郎は赤ん坊の時から力もちで、石臼を引っ張ってハイハイするほどだった。

大きくなった金太郎は村一番の力もちになった。マサカリをもらった金太郎は薪割りを手伝っていた。薪集めをしながら動物たちと遊んでいた。

やがて秋が来て、山が紅葉に染まる頃、動物たちを引き連れた金太郎は栗拾いに行こうと言い出した。動物たちは飛び上がって、崖がある、あそこは越えられない、というので、まあ見てろと崖まで皆を引き連れやってきた金太郎は、自慢のマサカリで木を切り倒し、崖に橋をかけてしまった。

金太郎が一番にその橋を渡ると、動物たちは誰も渡ろうとしない。どうしたと聞くと、そっちには恐ろしい熊がでるという。

金太郎は大笑いをして、熊がどうした、俺が倒してやるとどんどん奥に進んでいった。動物たちは渋々ついていくことにした。

動物たちと手分けしてカゴいっぱいに栗を集めた金太郎の前に突如巨大な熊が現れた。

熊が、わしの縄張りに入ってきおってと牙を剥き出しているので、金太郎はマサカリを構え、お前が牙と爪でくるなら俺はこのマサカリで相手しなくちゃならない、どうだ、相撲で決着をつけないか、それならお互い怪我せずに済むだろうと言った。

いいだろうと熊も納得して、相撲をすることになった。金太郎が相撲に勝てばここの栗をいただき、熊は家来になること、熊が相撲に勝てば栗は置いて立ち去り、崖にかけた橋を落とし、二度とこちらの山には近づかないことを約束した。

いざ勝負、熊がぶつかってくると、金太郎がこれまでに相手したこともないような途轍もない力を感じた、熊もまるで柔らかい木にぶつかったような手ごたえを感じ、お互い全く動かない。熊が踏ん張り直した隙をついて、金太郎が力を抜いて熊を避けると、熊は自分の勢いでバランスを崩して吹っ飛び木にぶつかって伸びてしまった。

相撲に勝った金太郎は熊を家来にして、熊にまたがり、山を降りた。栗のなる豊かな山と、強い家来を仲間にした金太郎はその後幸せに暮らしましたとさ。

何やら偉い侍になったとかいう現実的な話につながるそうだが、それは重要ではない。その現実味というか、水さしが金太郎の話のつまらなさを加速させるのだ。金太郎は熊と相撲を取るというのがピークで、熊もそもそも友達で、単に相撲を遊びてやってただけでつまらないので、悪役として登場してもらった。

起承転結というのは勢いで書き出していって、初めてここが転になるな、とかわかるもので、最初から転を決めて書けるほど分かりやすいものではない。転が決まれば、そこを手掛かりに、軽い宙吊り状態をつくって、どうなるんだという感覚をもたせて、一気にクライマックスを見せる。そして、結果的にどうなりました、という話を書いて終了。

まずは一気に書き出してしまうのが良い。必要なのは、要素を決めておくということ。枠は後から認識できるが、中身は最初にコレコレ突っ込む、というのを決めて、無駄なら捨ててしまうのが良さそうだ。できるだけシンプルな骨子ができたら、そこから肉付けしていくのは自由だが、自然さを捨ててまで肉付けするのはつまらないので、強迫観念に迫られながら書く必要はない。

5/02/2016 08:42:00 PM