物語の練習天邪鬼

昔、老夫婦がいた。お婆さんが川で洗濯していると、ウリが二つ流れてきた。実の詰まった方よ来いと言って寄ってきたウリを持って帰ると、中から美しい女の子が生まれた。女の子はウリ姫子と名付けて大切に育てた。

美しく育ったウリ姫子を山の化け物、天邪鬼がずっと見ていたが、お爺さん、お婆さんがそばで守っていたので近づいてはこなかった。

ウリ姫子が大きくなったある日、お爺さんとお婆さんが出かけるということで、ウリ姫子は留守番することになった。天邪鬼が来るかもしれないが、決してこの戸を開けてはいけないと言いつけて出かけていった。

ウリ姫子が機織をしていると、戸が鳴る。天邪鬼だ。ウリ姫子は天邪鬼にそそのかされて、戸を開けてしまう。裏の山に桃があるから取りに行こうというのだ。ウリ姫子は歩きたくもないし、天邪鬼の背中にはトゲがあっておぶわれたいとも思わないと言うと、桶を持ってきて、これに入れば運んでやると言われる。

天邪鬼に連れられて、桃を取りに来たが、天邪鬼は上から腐ったような桃しか投げてよこさない。自分で取るとウリ姫子は上に登って行ったが、天邪鬼に脅かされ、手を滑らせて下に落ち、首の骨を折って死んでしまった。

ウリ姫子の服を剥ぎ取り、持ってきた桶にウリ姫子の遺体を入れて埋めた天邪鬼はウリ姫子に化けて、家に帰った。

お爺さんお婆さんが帰ってきて、何か変わったことは無かったかと聞かれても、すまして何も無かったと機織を続けた。

何日かして、長者に餅を届けるというお使いを頼まれた天邪鬼は、家を出るとすぐに餅を平らげてしまった。また家に戻り「餅をもう一つ持ってきたら長者がお嫁にしてくれるといっています」と餅を作らせた。そして今度は本当に餅を届け、ウリ姫子と偽り、長者の嫁になった。

裏山で畑仕事をしていたお爺さんはウリ姫子の死体の入った桶を見つける。長者の嫁になったウリ姫子は天邪鬼であるとわかったお爺さんはウリ姫子を連れ戻し、顔を洗わせた。すると化けの皮が剥がれて天邪鬼が姿を現した。お爺さんは怒り狂い、天邪鬼を引きずり回して血まみれにして殺してしまった。メデタシ、メデタシ。

……何の救いもない話だ。長者の家で暴れる内容を書いても良いが、個人的にはあまり興味関心のわく話ではない。

抽象度を上げるなら、大事にしていたものが目を離した隙に魔物に取り殺されて取り返しのつかないことになり、復讐するカタルシスということになるだろう。ウリ姫子は桃太郎のように川から流れて来るが、桃太郎のように主人公として何かを成すわけではなく奪われた宝物の役割しかない。

主人公は天邪鬼なのだ。天邪鬼の気持ち悪さを丹念に描ければ良いかもしれない。ウリ姫子が好きなのではなく、ウリ姫子の持っているリソースを奪いたいだけ、つまり、天邪鬼の性別は女だったというのが良いかも知れない。ウリ姫子を嫁に欲しがるという話だと辻褄が合わないが、天邪鬼メス説……やっぱどうでも良いな。

いや、省略してしまったが、確かウリ姫子の最初の段階で、ウリが二つ流れて来て、実の詰まった方を持ち帰るという行動を婆さんがしているはずだ。そうすると、その流されて行った不運なウリが天邪鬼になるというのはどうだろう。まあ、どちらにしても興味がそもそもない内容なので、「これだ」というほどのものはない。

5/10/2016 09:27:00 AM