カラオケが上手くなりたいなら声が元から高い人のミックスボイスのアドバイスはあてにならない

プロの歌はどれも高音であり、一般的な男性が普通に歌える歌というのは限られている。上手く歌おうとすればもう無理ゲーである。声の正確な出し方を知らなければ歌える曲はほとんど無いと思って間違いない。

声がもともと高い男性というのがいて、そういう人は多くの曲をそれほど難しくなく歌える。ただ、声の出し方がわかっていない場合、いくら高音で歌えると言っても音痴スレスレ、何かダサい安定しない声であったりする。

ユーチューブにアップされている歌ってみた系の人達は皆さん元々の声が高い人が多く、低くてもまあレミオロメン程度である。もっと低い声の男、例えば福山雅治より低い男、福山雅治と同じ程度でも地声的な声の出し方しかできない人は、声の甲高いユーチューバーの歌い方を真似てもまず歌えるようにはならない。声の出し方が根本から違うのだ。

声が元から高い人は力んでも地声の延長なので力強く、高い声で歌える。そのかわり低音の豊かさが無いので芯が通らず、安定感が無い。

良く、裏声は力が弱く、地声は力強い、閉塞をかけて裏声を力強くしていくみたいなミックスボイスの出し方の説明があるが、閉塞を思い込みで出そうとしても妙な力みが入って喉を潰すのでやめた方がいい。力んで大きい声じゃ無いとミックスボイスが出せない系の人はまさに喉潰す声の出し方だ。ある程度の大きさの声じゃないとミックスボイスと認識できるような声にはならないが、張りあげて叫びに近い感じで出される高音声は元から声が高いからできるだけだ。低音の人間がやると簡単に喉を痛める。

では具体的にどうすればいいのか。まず、声の出し方の基本は、基音である。これしかない。クラシック音楽の声の出し方、いわゆるミッキー声だ。ミッキー声は甲高くないが、高い声も、低い声も出せる、単なる裏声ではない特徴的な声である。ミッキーの真似をして、基音が出せるようになったら、次は倍音を出す訓練だ。これは高い方は郷ひろみのモノマネ、低い方はボーカルフライと呼ばれるカラカラ声、呪怨の子供幽霊のカラカラした声の出し方だ。両方を高低で自由に使えるようになったらミッキー声を郷ひろみ声に近づけていく。すると、安田大サーカスのクロちゃんのような声になる。元からモノマネが得意な人はクロちゃんボイスをいきなり出しても良い。あれがまさにミックスボイスである。

伝説的に語られるミックスボイスで高音を出すのは実はそれほど難しくない。クロちゃんの真似で良いからだ。だから何んとなくの感覚をクロちゃんボイスでつかめたら、中音域、低音域をその喉の使い方で出せるように訓練する。

喉というのは元々の声質もあるが、安定させてある音をだせるようにするには訓練が必要で、喉の筋肉が出来上がらないうちはコントロールが難しい。

スポーツでもそうだが、いきなり力強い動きをしろと言われても、フォームが崩れていたら、フォームが綺麗な脱力状態の足元にも及ばない力しか出せない。喉の使い方もそうで、いきなり大きい声を出そうと力むと変な力が入って喉を痛める。しかも喉は痛めて強くなるような筋肉的なものではないので、歌えば歌うほど上手くなるわけではない。正しいフォームがすべてで、その状態で喉周りの筋肉やコントロールを学ぶしかない。

力むとコントロールができなくなって、音程を合わせるどころじゃなくなる。最初は小さい声でも良いから続ける。

コントロールができるようになってくると、力まずに大きい声が出せるようになる。その大きさも叫ぶような大きさではなく、限度というものがある。中音域、低音域を力強くミックスボイスで出せるようになればどんな声でも出せるようになる。

小さい声でミックスボイスを出すと、ほとんど裏声と大差無いので、ミックスボイス判定などがユーチューブに載っていて、裏声だろと嘲笑の的になってたりするが、ミックスボイスは倍音入りにすることで、裏声よりも高音域が楽に出せる特徴があるので、単なる裏声とは一線を画す。自分ではっきりと単なる裏声とは全然違う、というのがわかるのだ。

ただし、最初は出せる声の大きさ、中音域、低音域の弱さのせいで聞こえる音はほぼ裏声と同じような印象を持たれる。そこで無理して地声と混ぜる、みたいなことを始めると今度は変声点というものが出てきて、難易度が急に高くなる。歌を覚える時に、メロディだけじゃなく、歌い込んで変声点を体に染み込ませる必要が出てくる。だが、地声に近くした中音域や低音域は正しい歌声の出し方では無いので力強くても音程が狂いやすく、使い物にならない。やはり、急がば回れで、ミックスボイスで力強い中低音域を出せるようになるのが一番良い。

なぜここまで多くの人がミックスボイスにこだわるかと言うと、現代音楽のほとんどがミックスボイスなしには歌えないからだ。これは単純な話で、クラシック音楽のオペラ声は完璧に音程を合わせるための歌い方であるが、個性がほとんどなくなる。個性が出るのは倍音部分である。だったら音程を保ちながら個性的な倍音を混ぜていこう、というのがミックスボイスということに過ぎない。

ミックスボイスとは裏声と地声ではなく、基音と倍音のミックスである。裏声は基音成分が強いだけで基音そのものでは無いし、地声も倍音成分が強いだけで純粋な倍音ではない。裏声は低音が出せないし、地声は高音が出せない。オペラは高音から低音まで印象の変わらない声が出せていると思うが、あれに倍音を混ぜていければミックスボイスになる。

基音成分が強い歌い方は小野正利やMISIA、倍音成分が強い歌い方はX JAPANのToshiやアクセルローズと言えばわかりやすいか。

8/31/2016 05:32:00 AM