ならばどんなスマホがお望みだ

次に来るデバイスがどういうものか予測してみよう。ズバリ、今と変わらない。iPhoneが6Sの薄さと曲面感をもたせて4Sか5Sの横幅とサイズになったらもう完成だ。それ以上の何も必要ない。進化とかふざけたことは言わなくて良い。スマホの形態としてはそれで良いのだ。パソコンがiMacやMac miniで良く、ノートパソコンがMacBook ProやMacBook Airくらいでもう十分だったように、現状を縮小化して、少し縁部分に改造が加えられたりする程度で良い。間違っても横に映像が流れるとか意味不明なことはしなくて良いし、防水も無理につけなくて良い。不要な要素が無くなって洗練できるところがあったらそれを洗練していくというくらいで良い。

一から捨てて作り直すなら全く新しい物を作るべきで、互換性という悪魔が存在しているのでそれは中々難しい。テキストデータ以外、全部一度捨てて、新しく一番使いやすいという標準化の世界でやり直したら良いのになと常々思っている。初めてやった時は手探りだったから時間がかかったろうが、すでに良し悪しが判明したシステムをもう一度最適化しながら、今後百年ないし、五十年くらいを見据えて作り直すのはアリなのではないだろうか。

クラウドサービスがそれを担ったりする方向に進んでいるのだろうが、人は中空で何も無い状態に馴染めているとは言えないので、しばらく様子を伺う必要がある。はっきり言って多くの人が誰でも使いこなせる物というのは限られている。だから皆が使う物なんてあえて考えなくても良い。答えはこれまで培った物を感覚だけ踏襲して、作りを定義して長期の使用にも耐えられる仕様を考えていくというのが必要なのだ。

タブレットは全く使い道が分からないが、スマホ、それもiPhone以降のスマホに関しては人類が火を手に入れた以来の革命が起きた。大げさじゃなく、モバイルコンピューターとしての完成系だろう。これまで必須と思われていたボタンを排して、モニター上にボタンを表示して、それがそのままボタンとして機能するとは発想が凄すぎる。

もちろん画面をそのままタッチパネルにしてボタンを排するというのは、これまでにもアイデアはあったが、それを完璧にするコンセプトとUIはイマイチだった。そのUIのコンセプトこそが本当の発明だ。だからデバイスの発想が同じでもUIを変えれば新しいものが生み出せる。WindowsがMacのパクリで作られたにもかかわらずこれほどシェアを広げたのは値段ではなくUIの力だ。導入の簡単さハードルの低さはUIが生み出す。無料のLinuxが一般に普及しないのがその理由だ。UIは便利なのではなく、便利さを捨てることで容易さを上げるものなのだ。そして、Windowsは安価かつ容易だったからシェアを広げた。

うまく使えないと機能しないみたいなものは流行らないし、流行らないということは良いアイデアをもつ開発者にも恵まれない。いくら札束でひっぱたいても開発者にやる気や動機が存在しなければ、そして開発者が利用者と陸続きの人じゃなければ流行らないし、制作者以外、誰も使おうという気にならない。

多くの人が使おうと思うということはイコールでかなりのことができるキャパがあるということだ。そうじゃないなら特定の人にしか興味を持ってもらえない。多くの人に興味を持ってもらい、かつしっかり使ってもらおうとするなら、特化もできるし、バランスも取れるし、要素を自由にするフレキシビリティが必須となる。そういう間口の広さと拡張性の高さと、ある程度の制限によって容易さを持たせるということができたから多くの人を魅了したのだ。

今ある物を再定義する必要は少ない。人がコンピュータを作ろうと最初に思い描いたデバイスはもうほとんどできているし、まだ全くできてないとも言える。

人工知能がその答えだったはずなのだが、会話や表情から察してくれるほどの能力は持ち合わせていない。万能の流動的なツールとしてはまだまだであるとも言えるが、人がコントロールするものとしては十分である。車を定義し直してもハンドルは必要だし、せいぜい人工知能が自動運転してくれるとかそんなところである。馬しかいない世界で車を考えたような革新はさすがに出てこないし、出る必要が少なくなっている。停滞期だ。

こういう時はしばらくして、内圧が高まり、ある時から爆発的に新しい感覚のものが飛び出したりすることがあるが、それもさすがに誰も望んでいないし、そこを見ている人はいない。

正直今のスマホの延長に答えはない。キーボードが形をほとんど変えないように、答えはすでに出ている。誰かに特化も、大衆への媚びも無く、それとして、それ以上のスタンダードが生まれることは無く、そこにある。スマホもそういう存在になっていくだろう。そして思い出したように変態的なデバイスが出ては消えるというサイクルを繰り返す。

すでにあるものを全く違う組み合わせで再定義する以外にこの状況は打破できない。ペンをつけたり、大きくしたり、スピードを上げたり、防水にしたり、イヤホンジャックを無くしたり、どれもつまらない。それは最適化や装飾に近いものであって革新ではない。

8/24/2016 07:56:00 PM