何も無い状態から何を作っていくのか

何も無いとはやる気と、アイデア、テーマという意味で。市場を頼りに何か儲かる物を作るという意味だとすぐに終わる。自己満足に過ぎない。見た目が良ければ極端な否定意見は出ないだろうからそれで当面はしのげる。つまりどこかで見たようなものを見た目だけかなり近づけるというのはありなのだ。しかしまさにそういうメッキは剥がれていく。どんどんと。静かに首を絞めてやがて致命傷に至る。

マーケットが欲しがっている物を作るとか鼻息荒くやってもiPhoneは生まれなかっただろう。なぜなら現在のマーケットを見て予測している所にはそんなものは存在しなかったからだ。存在しないものを作るのが使命と思うなら、既存の物にヒントを得るだけでは不可能である。iPhoneはマーケットではなく、自分の人生にとって何を作り残すべきなのか、そういう視点で初めて生まれてくる類の製品だった。そして生まれたものがマーケットで認められる製品となったのだ。順番が逆なのだ。そういう物を作りたければ勇気を持ってはっていくしかない。

しかし、アイデアもやる気もテーマも何も無い状態の時はまずそんな奇跡は起こらない。そうなると、どうにかアイデアをひねり出すことから始めるというのが普通である。そこでブレストなどをやってもまず良いことは無い。なぜならブレストは無責任に全くやりたいとも思わない事でも、自分の政治力をアピールする場所である。自分の強さを見せつけるゲームがスタートするだけだ。そのようなアピールタイムやうまいこと言う能力をいくら振りかざしても良い物は生み出せないだろう。

熱意を持った人と同等の物を何も無い状態から生み出すには、過去にあった思いの点を繋ぎ合わせるのが良いとジョブズは言っていた。それが偶然繋がるか、あえて繋げに行くかは状況を見る。どうしても作りたい物があればそれで良いのだが、全く何も無いのがスタートだ。だとしたら自分の心の深くにあるものを引っ張り出すのが一番の方法である。自分が持っている過去の記憶を思い出し、何がしたかったのか、何をやり残したの、何ができなかったのか。その時から考え始めても遅い。だからチャンスが来た時に一気に襲いかかれるように用意しておく。

用意はどうすればできるのか。それにはやりたいことがある時に、できない事をメモしておくことだ。できないこと、目指したのに届かないことをその場で諦めるのはもったいない。それが作れるようになる日を虎視眈々と狙うつもりで常にチャンスを伺うのだ。チャンスが来たら待ったなしでやり始めるのだ。だから波をあえて起こそうとするのではなく、ある日やってきた波をサンプリングしていくつもストックしておくのだ。そのストックがないなら、まずはおざなりな企画で茶を濁してそれらしくやる、しかしそれは次のチャンスを見据えて、今じゃない時のために未来に向けてストックを始めることが必須の条件である。

11/14/2016 09:15:00 AM