アップル製品はなぜダメになったか

スティーブジョブズが一番優れていた部分は「機能を絞り込む」「使いやすく洗練させる」という部分だ。絶対に必要な部分を見誤らないで、やるべきことが明確になっていた。

それ以上にこれやってみたらどうか、というアイデアも多く、それを実際にやってみて使えないと思ったらさっさと捨てて次のアイデアの実現を急ぐ。重要なのはアイデアの多さではなく、機能の洗練だったのだ。

革新というのは別に新しいアイデアを盛り込みまくることではなく、気づかなかった感覚を、あるデバイスによって呼び戻す事で生じるのだ。アイデアは幾つかの概念が寄り集まった物で、違う見方を提示するための物であるが、それだけでは何の発展性も無い。使ってみるまで全く気づかなかったが、気づいたら当たり前になっている……そういう物であるべきだ。

大量のアイデアがぶち込まれました、ハイ革新っ、という物でないことはわかるはずだ。発想を広げていくのは良いとして、それが本当に使えるのかどうかの判断は、人類が作り上げてきた大量のゴミと、それでも残ってきた普遍的な物で判断がつくだろう。全く持ってありえない感覚でオーパーツのように作られる物なんてほとんどないはずだ。

ほとんどの物というのは過去の何かを参考にしたり踏襲したりして、その改良が行われる形で進化を続ける。

変化を恐れる事なく、一箇所にとどまる事なく、新しい物を試してみて良いと思うならそれを世に出せば良いし、やはりダメだと思うならさっさと捨てれば良い。

今のアップルは一箇所にとどまりたがり、新しい物は試すこともなく適当に押し込んで、ダメだと思っても捨てない……ジョブズの残した遺産を食い潰している。金の問題ではなく、プロダクトの信用という部分の遺産だ。ジョブズが死ぬ前にたたき台として出した適当なアイデアを洗練させる事なくぶち込んだせいで、今のiPhoneが出来上がった。絶対にやらないだろう事をまずはやってみて、感触をつかむ、というのをジョブズは繰り返していたようだが、その行程なくいきなりぶち込みまくる、無事死亡というのが今のアップルが向かっている先だ。

1/27/2017 06:52:00 AM